日々進化し一流に選ばれ続ける仏磁器ベルナルド vol.01
常識に囚われず、革新を起こし続けてきた一流たちのスピリットを発信し、さらなる『文化の発展に貢献したい』との思いで立ち上がったTAKANOME MAGAZINE
今回は、フランスのリモージュ磁器を代表するブランドであり、伝統の工芸技術を継承しながらも常に新しい磁器の技術を開発し、クリエイティブな感性が溢れるコレクションを発表し続けているBERNARDAUD(ベルナルド)。有名アーティストからも絶大な信頼を得て、コラボレーション作品も多数。その日本の販売拠点であるベルナルドジャパンの社長アーサー・ベルナルド氏にTAKANOME創業者平野が話を伺った。
日本に可能性を感じベルナルドジャパンを設立
平野:ベルナルドジャパンを立ち上げた経緯を教えてください。
ベルナルド氏:ベルナルドは私の伯父の会社で、日本に支社を作りたいという思いが以前からありました。4年前に日本のマーケットなどを見てポテンシャルの高さを感じ、日本支社を創ろうと伯父に提案しました。
平野:日本でのビジネスのどのあたりにポテンシャルを感じたのでしょうか。
ベルナルド氏:ベルナルドの卸先の多くを占める百貨店とレストランがたくさんあります。さらに、日本国内には星付きのレストランが多い。いま、世界の三ツ星レストランの7割はベルナルドを使っています。また、ホテルの開業が続いて、タイミングが良かったんです。
これまでマーケティングができていませんでしたが、お皿や陶器が好きな方が多い日本では、特に百貨店は知名度を上げながら、売り上げもあがっていく余地があると思いました。それ以外にベルナルドではアートも大切にしていますが、日本にはすばらしいクリエイターが多いですね。クリエイターブランドや建築家とのコラボレーションの可能性も感じました。
平野:実際に日本でビジネスを始めていかがですか。
ベルナルド氏:たくさんの有名シェフに会いに行きましたが、ホテルやレストランからは反響がありました。レストランのシェフはフランスやイギリス、アメリカに行った経験がある人がほとんどです。欧米では広く愛用されているベルナルドのよさを知ってくださっている人が多くいました。一般のお客様はそれに比べると知名度が低いので、百貨店での販売は少しずつ伸びているところです。
平野:将来は本国に帰る予定なのですか。
ベルナルド氏:そのつもりは全くありません。それよりも日本でもっとたくさんのプロジェクトを進めたいです。百貨店以外のコラボレーションや関西への出店など、やりたいことがたくさんあります。今はショールームしかないので、ショップを作りたいですね。
デザインと機能性を併せ持つものづくり
平野:多くの有名レストランから愛されている理由はどこにあるとお考えですか。
ベルナルド氏:レストランに取り扱ってもらったのは30年前のこと、ロブションが最初でした。ロブションさんは私の祖父の友人だったんです。店舗ではおしゃれなフランス人の家の雰囲気を再現したいと、ベルナルドを取り入れました。当時、フランスではベルナルドを使っている家庭も多かったんですね。
そこから、レストランやホテルの要望に合わせて、家庭では使わないデザインのお皿をバリエーション豊富に作るようになりました。自宅で生み出した特別な磁器を使い、丈夫で割れにくいということでも評判になり、高級店ばかりではなくビストロなどでも使われるようになりました。先日、フォーシーズンズホテルのイタリアンのシェフと話したら「2年間使っても全く割れない」と言われましたね。
そして、一番の特徴は、ほかの磁器より白いことです。野菜や果物は色が大事なので、白いことはとても重要です。トマトを載せるときに、お皿が白いと赤がきれいに映えます。
平野:なぜそこまで白くできるのですか。
ベルナルド氏:カオリンや長石などの素材を調合して使っているのですが、その配分のレシピは秘密です。焼く時の温度によっても状態が変わるので研究しています。磁器の工場では、白い皿を作る場所と色柄物を作る場所も分けています。また、日々イノベーションをして、素材もどんどん進化して、より白く、丈夫になっています。
平野:ベルナルドの創業・磁器の歴史についてもお聞きしたいです。
ベルナルド氏:ベルナルドの創業は1863年で、来年160年を迎えます。
創業者である私の6代前の祖先は磁器の会社で仕事をしていて、技術のある職人でした。
フランスの磁器の歴史を見ると、まず中国でカオリンから磁器が作られ、その白い陶器の美しさにヨーロッパの人々は驚いたと聞きます。
その後18世紀にドイツのマイセンでカオリンが発見され、さらにフランス・リモージュでもカオリンが見つかりました。
ですので、マイセンとリモージュは同じくらいの時代から磁器の歴史が始まっったのですね。
ベルナルドが創業したのは、その50~60年後です。
平野:日本にもさまざまな磁器がありますが、ベルナルドとの違いはどこにあると感じていますか。
ベルナルド氏:有田焼など日本の磁器が美しいのは確かです。ベルナルドとの大きな違いを言うと、規模でしょうか。伝統やデザイン性の高さを追い求めるのはもちろん、企業としてプロフィットも重要となります。フランスでも、アートピースのような磁器もあります。ただ、ベルナルドのように伝統を守り続ける部分と、例えば、照明器具などのインテリアやアーティストとのコラボレーションなど新しいものを生み出す部分バランスを両立できているのは稀だと思っています。
※後編に続く。
日本橋高島屋「メゾン・エ・オブジェ・パリ展」開催記念特別企画
BERNARDAUD(ベルナルド)リモージュからの風
さまざまな生活スタイルに合わせたコレクションや限定数量で制作されたミロの希少なコレクションなどベルナルドの伝統と最新の技術を多角的に紹介。通常店頭には並ばないアメリカの現代アートを代表するアーティスト、ジェフ・クーンズとのコラボレーション「バルーン・アニマルズ」のシリーズも展示される。
期間:2022年3月16日(水)~3月22日(火)
時間:10:30~19:30
※営業時間は変更の可能性あり
場所:日本橋高島屋S.C.本館1階正面イベントスペース
ベルナルド東京・ショールーム
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電話:03-6427-3713
※電話にて要予約
ショールームのため、その場での商品の購入はできません
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F1のレーシングカーを作るとき、コストを考えながら車を作ったりはしない。とにかく速さのみを求めてその時代の最高の車を作る。TAKANOME(鷹ノ目)の開発もいわばレーシングカーを作るかのようにとにかく「うまさ」のみを追求するとの信念のもと、幾度にも及ぶ試行錯誤の上で完成した、極上の日本酒。
<販売日>米作りからラベル貼りまで、全て「手作業」によって造っているため、生産量が限られています。ご迷惑をお掛けしますが、週に1度のみ(毎週水曜21時〜)数量限定で販売いたします。
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Text: Mihoko Matsui
Photo: Takuma Suda
Structure: Sachika Nagakane