「衣・食・住」に通ずる唯一無二のダンサーモデル・Kazuho Monster

「衣・食・住」に通ずる唯一無二のダンサーモデル・Kazuho Monster

 

配信動画の総再生回数は2億回を超え、Instagramフォロワー数約31万人、TikTokフォロワー数約50万人、YouTube登録者数約9万人。

コミカルでありながら繊細さとダイナミックさを持ち合わせ、見た者を惹きつけて離さない独創的なパフォーマンスが注目を集める人気インフルエンサー・Kazuho Monster。

 

近年では“バズる動画”が一躍話題になり、世界中のフォロワーに向けて華やかな活躍を見せているKazuho Monster(以下Kazuho氏)だが、ここに至るまでには様々な逆境や困難があったという。

独学でアニメーションダンスの技術を磨き上げたKazuho氏の軌跡は、現代を生きる人々の生きるパワーになり得るという考えから、TAKANOME MAGAZINEはKazuho Monsterのこれまでを伺った。 

 

▲Kazuho Monster

1994年11月生まれ。"アニメーションダンス"を得意とし、ムーンウォーク世界大会 優勝を果たす。2016年ファッションブランドの『MICHIKO LONDON』、2019年には『BALENCIAGA』のモデルを務める。傘や鞄を使うパントマイムの実力が認められ、2021年にはHERMESのイベント『HERMES Fit』にダンサーとして出演。HERMESの代表的な商品であるスカーフや革製品を使ったパフォーマンスを披露する。

 

 

囲碁に没頭した幼少期

──── 幼少期はどのようなお子さんでしたか。

『実は、子供の頃は身体が弱く、入退院を繰り返す日々を過ごしていました。

ボートゲーム好きな父や、当時流行っていた漫画の「ヒカルの碁」に影響を受けて、座ったままでも楽しめる「囲碁」をはじめたところその世界に熱中。
ゲームより囲碁が好きという、ちょっと不思議な子供だったかもしれません。

近所の碁会所に通いながら囲碁に没頭するうち、いつしか囲碁のプロを目指そうと考えるようになったのですが、Youtubeで見た動画との出会いがこの後の人生を大きく変えるきっかけになりました。』

 

アニメーションダンスとの出会い

 

──── ある日本人ダンサーのYouTube動画に衝撃を受けたんですね。

 

『はい。ニューヨークのアポロ・シアターで「アニメーションダンス」と呼ばれるダンスを踊り、沢山の黒人客で溢れた会場を沸かせていました。

アニメーションダンスは、知名度の高いものだとマイケル・ジャクソンのムーンウォークなどがあり、多くのダンサーがその動きにインスパイアされシーンを彩ってきたダンススタイルです。

その動画を見た時、とにかく衝撃的で。同時に「自分もやってみたい」と思ったんです。体が丈夫ではなかったから「自分も、自分の体を使って世界中の人にすごいと言ってもらえるようになれたら…」と。

観客の熱狂ぶりを見ながら、言語の異なる人たちをこんなにも沸かせ、歓声を集められるなんて凄いことだと思いました。

この動画をきっかけに、高校まで続けていた囲碁から一気に方向転換し、プロのダンサーになることを決意しました。』 

 

独学のアニメーションダンス

 

──── アニメーションダンスはどのように習得されたのですか。

『当時、アニメーションダンスを学べる場所自体が少なく、独学で練習に打ち込んでいました。

しかし、練習に打ち込む過程で幼い頃と同じ病気で再び体調を崩してしまって。やりたいことが出来なくなり、もどかしい思いが渦巻く中で「好きなことをやりたい。」と強く思いました。

この強い想いが幼少期から自分の根底にあったからこそ、自分の道を信じ、迷わず歩んで来れたのだと思います。』


療養後の2013年、NYから帰国したKazuho氏が「師匠」と呼ぶダンサーが渋谷でダンススクールを開講。

師匠というのは勿論、Kazuho氏を魅了したあの日本人ダンサーのことだ。


『師匠と出会ったのは大学に入学する18歳の時でした。
それまでのダンスは独学だったので、スクールへの参加をきっかけにヒップホップなど様々なジャンル、そしてダンスの基礎を体系的に学びました。』

 

──── 独学で成長するポイントはありますか。

『独学で技術を極めるということはすごく大変なことです。
人に教われないことは自分で探りながら習得していくしかない。

例えば、レッスンを受けてムーンウォークを学べばムーンウォークは上手くなるけれど、自分でコツを探りながらやっていけば他に応用できる方法にも気付くことができる。


大事なことは、自分で考えながらコツやポイントをつかんでいくことです。
この経験のおかげで、人に教えるのがすごく上手くなりましたね。囲碁をしていた経験も、一手先を読んだり分析することに活きていて。

これをしたらこうなるのかな、ってことはいつも考えています。』

 

SNSで変わった世界

SNSを始める前は新宿や渋谷のストリートで踊り、毎日100名以上の人が集まるほどの大人気ぶりだったという。

 

──── ストリートでも大人気だったのですね。

『ストリートパフォーマーの活動で生活も出来ていたし、このままお金を貯めて海外に行って、日本の外にも活動を広げていこうと思っていました。

活動を続けていけば海外でもやっていけるだろうと思っていたんですけど、コロナ禍に入って何もできなくなっちゃったな、と。


そこで以前使っていたライブ配信アプリでダンスをしたり、いろんな人たちにオンライン上で応援してもらいながら本格的にSNSを始めました。」

 



『YouTubeやInstagramでは同じように動画をアップしてる人がいたので、自分もやってみようと。どんな場所に住んでいても、動画をアップして。


喜んでくれる人さえいれば生きていける状態にしようと思いました。』

ストリートパフォーマンスをアップした最初のTikTokは見事にバズり、一気にフォロワーが増加。

TikTok:50万人以上

インスタグラム:31万人

YouTube :9万人

現在、Kazuhoさんのフォロワー合計数は100万人に迫っている。

 

──── 100万人近くのフォロワーを抱え多くのユーザーからの注目を集めていらっしゃいますが、トップインフルエンサーとしての現在の心境はいかがですか?

 

『見た人が面白いって思ったものを出さないと全然再生されないんです。100万人弱のフォロワーがいても1万回しか再生されないとか、それって僕はあまり価値がないと思うので。


自分がやりたいこともあるけれど、どうやったら再生されるのかを結局ずっと考えなきゃならない。

ただし、炎上商法とは違うのでどこまで攻めるかを決めるのが結構大変です。マーケッター的な思考で、何を入れたら「バズる」のか、というのは大体掴めてはきているのでシチュエーションを変えたり、やることを変えたりしながらトライしている日々です。』

 

──── Kazuhoさんの伝説的なバズり動画といえば「ダンサーの退店方法」ですよね。

あの作品は、SHOGUN BURGERさんからお声がけいただきました。

実はこの作品には色々とストーリーがあって。
 

 

@kazuhomonster How to leave the burger store🍔 #shogunburger #dance #将軍バーガー #入退店シリーズ @shogunburger ♬ Smooth Criminal (2012 Remaster) - Michael Jackson

 

 

 ──── そうなんですね、SHOGUNハンバーガーは食べましたか?

 

『SHOGUNハンバーガー、普段からよく食べます。僕の一番好きな食べ物はハンバーガーなんです。(笑) 


実は、SHOGUN BURGERさんは僕がストリートパフォーマーとして知られる前から店舗の壁にサインを書かせていただいたり、ステッカーを貼らせて頂いたりとお世話になっていたお店だったんです。

それで、やるなら確実にめちゃくちゃバズらせようと思って。
結果的にあれが3,700万回と一番再生数が多い作品になりましたね。

僕も何回もお店に通って、どういうものを撮ったらバズるのかというのをちゃんと説明して、意思疎通が出来ていたというのが大きかったですね。
「バズらせよう」と決めた作戦がしっかり合致したと思います。』

 

──── 現在、「ARMANI」や「BALENCIAGA」など世界の有名ブランドともお仕事をされていますが、今後の活動指針や目標を教えていただけますか?

▲BALENCIAGAのモデルを務めたKazuho氏。撮影場所はKazuho氏が通っていた囲碁教室。 引用: Instagram 

 

『僕はファッションも大好きなので、世界の名だたるブランドと一緒にお仕事をする。ということを最初の目標としていました。

今後もファッションとコラボレーションをしていきたいと考えていますし、次の段階では「衣・食・住」に関わることも行っていきたいと考えています。』



「衣・食・住」に関わる唯一無二のダンサーへ

 

────「衣食住」に関わる唯一無二のダンサー、新しいですね。

『「衣」に関しては、様々なファッションブランドとお仕事ができるようになったので、これからは「食」と「住」でどのようなコラボレーションができるかを考えています。


僕の中で、今回のTAKANOMEとの撮影は「食=日本酒」でつながり実現することができたと感じています。

「住」はライフスタイルの位置付けで、今後は世界のホテルブランドともお仕事できるようになりたいと考えています。

衣食住は全世界の人の共通のカテゴリーなので、衣食住それぞれの分野でダンサーを使いたい。となった時、僕が浮かべば最強だと思ったので、常に意識しながら活動を進めています。』

 

──── 普段のお仕事の時間の使い方について教えてください。

『時間の使い方は、考えている時間が一番大事だと思っています。
ダンサーだからダンスの練習をして踊っている時間が大事だとは思うんですけど、やっぱりみんなダンススタジオで踊っている動画ばかり投稿するんですよね。


でもそれだけだとあまり社会に価値をもたらせられないと思っていて。

お店の前で撮影した動画が再生されてバズれば、店舗を構えている飲食店やブランドでもなんでも、そのお店の宣伝になるんじゃないかと。


価値を高めるためにバズらせよう、と考える時間が大事だと思っています。


ダンスをしている時以外はそんなことを考えています。』

 

 

──── ありがとうございます。最後に、Kazuhoさんにとってダンスとは。

 

僕にとってダンスは趣味でもあり、社会の様々な業種と繋がるためのツールでもあります。

 

Kazuho Monster 

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TAKANOME

F1のレーシングカーを作るとき、コストを考えながら車を作ったりはしない。とにかく速さのみを求めてその時代の最高の車を作る。TAKANOME(鷹ノ目)の開発もいわばレーシングカーを作るかのようにとにかく「うまさ」のみを追求するとの信念のもと、幾度にも及ぶ試行錯誤の上で完成した、極上の日本酒。


<販売日>米作りからラベル貼りまで、全て「手作業」によって造っているため、生産量が限られています。ご迷惑をお掛けしますが、週に1度のみ(毎週水曜21時〜)数量限定で販売いたします。

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TAKANOME MAGAZINE

「常識に囚われず、革新を起こし続ける一流を訪れ、その哲学に触れる」というコンセプトのもと、独自取材を行うTAKANOME MAGAZINE。

TAKANOMEの哲学である『常識に囚われない「うまさ」のみの追求』という視点で一流の哲学を発信し、読む人たちの人生を豊かにすることを目指します。

 

 

Text: Fumie Nakagawa
Photograph / Movie: HIDE
Structure: Sachika Nagakane

 

 

 

 

 

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